アトピー

アトピーと湿疹の違いはなに?どういう対策が効くのか解説します。

 

「肌がかゆいけど、これってアトピー?湿疹?どういう違いがあるんだろう・・・」

 

こういった疑問にお答えしていきます。

 

アトピーも湿疹も肌がかゆくてたまらない症状ですが、具体的にはどういった違いがあるのでしょうか?対策についても調べてみました。

 

湿疹:一時的なかゆみ、アトピー:慢性的なかゆみ

 

まず結論からいうと、湿疹とアトピーの大きな違いとして、一時的なかゆみか、慢性的なかゆみか…というものがあります。

 

湿疹とは「皮膚に炎症を起こしてしまう病気を総称した呼び名」で、アトピーは湿疹を引き起こす要因の1つになっています。

 

湿疹を起こす要因はアトピーの他にも虫さされ、花粉、カビ、ハウスダスト、食物や金属などのアレルギー反応、発汗など様々なものが挙げられます。

1つだけではなく、複数の要因が合わさり湿疹を起こしているケースも多いです、

 

通常の湿疹(いわゆる「急性湿疹」)であれば基本的には早ければ発症から数時間、長引いたとしても数日以内という短期間でぶつぶつ、水ぶくれなどの症状は消えるケースがほとんど。

 

一方でアトピー性皮膚炎は1度発症してしまうと、短期間で湿疹やかゆみをおさめるのがむずかしく、治療には数ヶ月〜数年という長いスパンがかかってしまうケースが多いです。

 

・湿疹:数時間〜数日くらいで治るケースが多い

・アトピー:湿疹は数ヶ月〜数年単位で慢性化するケースが多い

 

ただし、通常の湿疹でもあまりも掻きむしったり、治療をせずに放っておくと悪化および慢性化して皮膚が固くなったり、厚くなってくることがあります(慢性湿疹)。

 

湿疹が慢性化するとこちらも治るまでに時間がかかってしまうので、悪化させないように早めに治療を進めることが大切です。

 

また、湿疹と混同しがちな「とびひ」「あせも」についても、アトピー性皮膚炎とは症状が異なります。下記で詳しく解説しています。

 

参考:アトピー性皮膚炎ととびひの違いは?どういった対策が有効か解説します。

参考:アトピーと汗疹(あせも)の違いってなに?どうやって対策するかを解説します

湿疹よりアトピーが時間がかかるのは免疫力の差が大きい

 

 

どうして普通の湿疹よりも、アトピーによる湿疹のほうが症状がおさまるのに時間がかかるかというと、大きな要因は「体内の免疫力の差」です。

 

まずアトピー性皮膚炎になる大きな原因は、「アトピー素因」という個人の体質(遺伝子)による、肌の表面にある角層のバリア機能(肌バリア)の低下によるものです。

 

角層は皮膚を構成する「角層・表皮・真皮・皮下組織」の1番外側の部分で、外からの刺激や細菌から私たちのカラダを守ってくれています。

 

しかし何かのきっかけでアトピー素因によってこの角層の肌バリアの機能が低下すると、本来ガードできているはずの刺激、雑菌、異物が体内に入ってきて、激しいかゆみや炎症を起こします。

 

問題はこの肌バリアの低下がどんな要因によって引き起こされるかですが、基本的には一概には言えず、個人個人の置かれている状況によって異なります。

 

肌バリアの低下は遺伝、ストレス、エアコンの風、紫外線、スキンケアの相性、加齢、ダニ、肌のかきすぎなどさまざまです。

これらにアトピー素因が過剰に反応してしまい発症すると言われています。

 

こういったバリア機能の低下は私たちの体の中の免疫力にも悪影響です。

 

通常の虫さされやアレルギーの湿疹では体内の免疫力にはあまり影響がなく、生成された抗体が侵入した異物をすばやく退治してくれます。

 

そのため、あまり慢性化せずに一時的な症状のみで完治するケースが多いです。

 

しかしアトピー性皮膚炎による湿疹・かゆみは、肌バリアと同時に体内の免疫力も低下しているのであまり異物への有効打がなく、症状が慢性化して治療には時間がかかってしまいます。

 

アトピーは完治はしないのでいかに悪化や再発を防ぐかが大切

 

一時的なかゆみ、慢性的なかゆみ以外の違いとしては、症状が完治するかどうかも通常の湿疹とアトピーでは異なります。

 

アトピー性皮膚炎が原因ではない湿疹の場合、かゆみやぶつぶつなどの症状がおさまれば、基本的には完治したとみなされます(もちろん原因によって完治しないケースもあるかもしれませんがあくまで一般的な場合です)。

 

しかし、アトピー性皮膚炎は上でも書いた「アトピー素因」という体質・遺伝子によるものです。個人の体質は変わらないのでアトピーも完治することはありません。

 

アトピー素因は消えることがないので、それがなくなることを完治としたいのであれば、アトピーに完治はありません。アトピーにおいては、症状が発症せず抑えられた状態が続くことを寛解(かんかい)といいます。

(中略)

寛解の診断基準としては、暑さによる汗や寒さによる乾燥などの四季ごとのリスクを乗り越え、一年を通して薬も使わず、治療がなくても発症が抑えられ、肌が良い状態でキープできていれば寛解と言ってよいと思います。

引用元:https://hugkum.sho.jp/86827  ※一部リライト

 

このようにアトピー治療では、完治ではなく、いかに症状を再発させないか…という「寛解(かんかい)」を目指して治療していきます。

 

アトピーの治療の進め方については個人の体質や症状の大きさによっても変わってくるので、気になる方は専門医に相談してみてください。

 

対策は肌を清潔・保湿して、肌はかかず、冷やすこと

 

湿疹全般、そしてアトピー性皮膚炎の対処・予防法として共通するのは以下の通りです。

 

肌を清潔・保湿する:乾燥するとバリア機能が落ちるので、お風呂に入った後などはしっかり保湿。また発汗も湿疹の原因になるので早めに拭き取る。なるべく刺激を与えることは避ける。

肌を掻かない:掻いてしまうとその部分のバリア機能が弱まり、細菌がさらに侵入しやすくなる。

肌を冷やす:上記の通り掻くと肌バリアが弱まるので、氷水やつめたいおしぼりなどで炎症を冷やすとかゆみはやわらぐ。

 

かゆみは生理現象なので最低限掻くのは仕方ないですが、あまりにもしつこく搔きむしるのは注意しましょう。

 

上記のように肌のキズによってバリア機能が低下したり、キズから黄色ブドウ球菌が感染して症状が悪化するリスクがあります。

 

もちろん発症してしまったら早めに薬などで治療をすることも効果的です。

 

対処が早ければ早いほど、症状の悪化を防ぐことができます。

 

それでもなかなか治らずに慢性化している場合は、早めに専門医に相談してみてください。

 

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