アトピー

アトピー性皮膚炎ととびひの違いは?どういった対策が有効か解説します。

 

「めっちゃ肌がジュクジュクしてるんだけど、これってアトピー?とびひ?どっち?」

 

こういった疑問にお答えしていきます。

 

アトピー、とびひどちらも肌を掻(か)きむしってしまう症状がありますが、なんとなーく一緒のようなものだと考える人も多いはずです。

 

では、それぞれの具体的な違いや対策はどのように分ければいいのでしょうか?調べてみました。

 

アトピー:原因は人によって異なる、とびひ:肌に細菌が感染することが原因

 

まず結論からいうと、アトピーととびひの大きな違いは「症状が出る原因がはっきりしているかどうか」…ということです。

 

・アトピー:症状がでる原因が人によって異なる

・とびひ:肌を掻いたときに黄色ブドウ球菌などが感染して引き起こる。アトピー肌の人も感染しやすい

 

またとびひは子どもを中心に大人でもかかる可能性がある炎症ですが、とくにアトピー性皮膚炎のような敏感肌の方はよりかかりやすくなるリスクが高いです。

 

アトピー:何らかの原因で肌バリアが低下し刺激や雑菌に弱くなる

 

まずアトピー性皮膚炎になる大きな原因は、肌の表面にある角層のバリア機能(肌バリア)の低下によるものです。

 

角層は皮膚を構成する「角層・表皮・真皮・皮下組織」の1番外側の部分で、外からの刺激や細菌から私たちのカラダを守ってくれています。

 

しかし何かのきっかけでこの角層の肌バリアの機能が低下すると、本来ガードできているはずの刺激や雑菌が体内に入ってきて、激しいかゆみや炎症を起こします。

 

問題はこの肌バリアの低下がどんな要因によって引き起こされるかですが、基本的には一概には言えず、個人個人の置かれている状況によって異なります。

 

肌バリアの低下は遺伝、ストレス、エアコンの風、紫外線、スキンケアの相性、加齢、ダニ、肌のかきすぎなどさまざまなものが考えられます。

 

具体的な症状としては湿疹や継続的なかゆみが主で、かきすぎて皮膚が破れたり、バリアが低下したことで体内の水分が出ていきやすくなることでの乾燥肌も併発することがあります。

 

乾燥肌によってさらに外部からの刺激を受けやすくなり、かきすぎて更なるかゆみを誘発し、さらにアトピーの症状がひどくなる..という悪循環になりがちです。

 

また雑菌をガードする機能が落ちているので、上記のとびひをはじめとした肌に関する炎症にはアトピー肌の方はよりかかるリスクが高まります。

 

アトピーは主に5歳くらいまでの児童がかかりやすく、逆にその年齢までに完治することも多いと言われていますが、成人年齢でも発症する人はいます。

 

掻きむしりが快感になって症状が悪化する可能性があるので注意

 

なお、「アトピー」という言葉の由来は「わからない」「奇妙な」などを表すギリシャ語の『アトポス(atopos)』が語源です。

 

おそらく、その当時の専門家でもどういった原因で発症するかが掴みきれない…というところから命名されたのだと思われます。

 

また、お風呂に入るときなど、体温の上昇による毛細血管の広がりなどで激しいアトピーのかゆみが誘発され、つい掻きむしる間に掻くこと自体が快感になる…という経験をした人も多いと思います。

 

かゆみは生理現象なので多少掻くのは仕方ありませんが、あまりにも長時間刺激を肌に与えすぎると余計にアトピー肌の悪化、およびほかの肌に関する炎症リスクが高まってしまうので気を付けましょう。

 

関連記事:アトピーは掻きむしると気持ちいい!?やりすぎは悪化の可能性があるので注意です。

 

とびひ:肌を掻いたときの雑菌が原因

 

ではとびひになる原因ですが、肌を掻いたときに手についていた雑菌を介して感染することが主になります。

 

とびひの正式病名は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」です。

特定の細菌が肌に移り、わずかな箇所にできた水泡があっという間にカラダの広範囲に広がるので火の粉が飛び散る様にたとえて「飛び火(とびひ)」と呼ばれます。

 

上記で書いているアトピー肌や、あせも、虫刺され、湿疹、かぶれなどかゆみを生む他の症状から誘発されるケースが多いです。

 

とびひの原因になるのは黄色ブドウ球菌とA群β溶血性レンサ球菌の2種類

 

とびひの原因になる細菌は大きく分けて2種類です。

 

黄色ブドウ球菌:おうしょくぶどうきゅうきん。皮膚や鼻の中に存在する一般的な細菌。多くのとびひはこの菌が原因で、感染すると水ぶくれの症状がでる(水疱性膿痂疹)。感染は子どもが多い。

A群β溶血性レンサ球菌:えーぐんべーたようけつせいれんさきゅうきん。こちらも一般的な細菌。感染すると膿の水ぶくれ(膿疱:のうほう)ができて、やがてかさぶたに変化する。年齢問わず感染する可能性がある。

 

とびひは移りやすいと言われていますが、「たばた小児科」さんのように原因となる球菌が移りやすいだけで、とびひの症状が移りやすいわけではないと伝えている医院もあります。

 

「とびひ」は他人にうつると誤解されていますが,厳密に言うと「とびひ」はうつりません。「とびひ」の原因となる黄色ブドウ球菌は,常在菌といって誰の皮膚にも必ずいます。ただ,皮膚の表面にいるだけで,悪さをしなければいいのです。

肌の触れあう機会の多いこどもたちは ,風邪のウイルスと同様に,黄色ブドウ球菌などの細菌も常にやりとりしています。うつされた細菌が皮膚の表面に いるだけなら問題ないのですが,皮膚を掻きこわすなどして,皮膚のバリアが 壊れたところから細菌が侵入してしまうと「とびひ」になります。

だから厳密には, 黄色ブドウ球菌はうつるけれど,「とびひ」自体がうつるわけではありません。このへんが混同されています。

引用元:http://www.tabata-clinic.jp/q-a/tobihi.pdf

 

幼稚園や家族で生活していると、タオルや衣類の受け渡しなどでこういった球菌も一緒に移ってしまう可能性はどうしても発生します。

 

そのため、特に肌の弱い方はそういった物を受け渡しをした後すぐに肌をひっかいたりすることはできるだけ控えるといいでしょう。

 

自分はアトピー?とびひ?見分ける方法は「病院に行く」こと

 

 

では自分の肌に異変が起きてこれがとびひなのかアトピーなのか見分けがつかない場合、ベストな方法はやはり「病院に行って診察してもらうこと」です。

 

通常のとびひであれば多少水ぶくれができたとしても市販の軟膏を塗って数日経てば治ることもありますが、念のため1度専門医に相談してみることをおすすめします。

 

また、アトピー肌の人がとびひを発症すると肌バリアが弱まっているので通常よりもかゆみ、肌荒れが悪化してしまうリスクも高くなります。

 

こちらも早期に治療をすれば早めに回復する可能性はアップするので、皮膚科、あるいは小児科を受診してみてください。

 

とびひの1番の予防は「肌を清潔に保つこと」

 

とびひは誰のカラダにもいる細菌が原因なので、常日頃から対策をすることが大切です。

 

1番有効な予防はやはり「肌を常に清潔に保つ」ということ。

 

とびひは肌の湿疹、かぶれなどを掻いてしまうことで引き起こされるので、そのかゆみの発生を予防するのがもっとも効果があります。

 

毎日ちゃんとお風呂に入ったり、虫刺されや湿疹は塗り薬などで対応してできるかぎり掻きむしるのは控えるようにしましょう。

 

また黄色ブドウ球菌は鼻の中にも存在するので、鼻をむやみにほじったり、さらにその手で肌を掻いたりするのをやめるだけでもとびひの発生を防ぐことができます。

 

またアトピー肌の人はそちらの治療を進めていき、肌の抵抗力や免疫力をアップしていくkことで、並行してとびひの悪化リスクを抑えることができます。

 

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